ごろごろ、ぴしゃん。
今朝からずっと降り止まない雨に続き、とうとう雷まで鳴り出した。私は雷がぴかっと光るたびに「きゃー」なんて叫ぶようなかわいらしい女の子ではないので、生活も特に普段の雨の日の休日と変わらず、居間で寝そべりながらテレビを見るというなんとも自堕落な過ごし方をしていたのであった。
――そうしていると突然、近所の田島さんちの弟くんが家を訪ねてきた。

「…どーしたの?」
「雨降ってるかられんしゅーなくてさ、それに家族もみんな出かけちゃってるし。暇で仕方ないんだよねえ」

だからなんか相手してよー。言って悠一郎くんは家の中へと上がりこむ。別に昔からご近所づきあいのある家の子だし上がられること自体に問題はないんだけれど、相手をしてと言われても、高校生男子の趣味なんて知るはずもない私には何をすればいいのかまったくわからなかった。(だって彼氏とかいなかったんだもの!)

「とりあえず、どうぞ」
「ありがとー」

よくわからないままにとりあえずお茶を出してみた。渋いなこれ、そう小さく呟く悠一郎くん。確かに、色々考えながら淹れてたから普段よりも若干濃い目になってしまいました。ごめんなさい。

「ところで、悠一郎くんはなんでうちに来たの?」
「えー、だって暇だったんだもん」

高校生にもなってだもんじゃねーよ、と、「お友達は?」「みんな家遠いんだよなー」なんでこんな日にみんなして出かけちゃうんだよーとぶつくさ文句を垂れる悠一郎くんに、ひとり心中で突っ込んだ。